Cafe 木工房 結は、黒川大輔さんが長年の教員生活を辞め、趣味としていた木工を生業とする工房を、また、妻の永世子さんが訪れる人をもてなすカフェをと、それぞれの思いをカタチにした場所。大輔さんが生み出すシンプルで機能的な家具や雑貨が置かれたカフェで、永世子さんは自家栽培の食材と手作りにこだわったメニューを提供しています。
ご夫妻の事業承継は、パティシエである次女の結子さんと夫の寺野裕紀さんが、ここに自分たちの店を持つことを考えたところから始まります。もともと寺野さんは、緑豊かな山奥に佇む店を理想としており、この環境はイメージにピッタリだったそうです。「この場所で一緒に店を経営しよう」と決意し、将来を見据えて法人化を検討することにした4人は、垂井町商工会に相談。黒川さんは「せっかくの門出なら、若い世代が経営を引き継いだ方がいい」と考えていたことから、同商工会を通じて岐阜県事業承継・引継ぎ支援センターの支援を受けることにしました。
相談に訪れたエリアコーディネーターは、まず4人の想いを整理し、事業承継計画書を作成することを提案。税理士を派遣して法人化のメリットやデメリットを伝え、営業形態や売上目標など具体的な計画づくりをサポートしました。その結果、寺野さんを代表とした個人事業で、カフェと木工房に菓子工房「ラ・フィレール」を加えた複合施設「結の森」として、新たな一歩を踏み出す計画が完成。
菓子工房のオープンには多くの人が訪れ、寺野さんこだわりのシュークリーム「結シュー」や永世子さんのアドバイスでゆずを取り入れた結子さんイチオシの「ザッハ・トルテ」などが、話題を集めています。黒川さんも「これまではカフェに一般向けの家具や雑貨を置いていましたが、今後は菓子工房の内装や什器など、事業者向けの木工製品にも挑戦したい」と、新たな市場の可能性を見い出しています。寺野さん夫妻も「カフェでも菓子工房のスイーツを提供し、相乗効果でファンを増やしていければ」と期待を寄せています。
黒川さんがセルフビルドしたカフェ
菓子工房「ラ・フィレール」
ここも黒川さんのセルフビルド
〒503-2102
岐阜県不破郡垂井町敷原173