加子商店

第三者承継

卸売業

卸売業

一枚のアンケートからはじまった
事業承継

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　ねじや工具を販売する加子商店を義父から受け継いだ中村充さん。年齢を重ねるごとに体の負担を感じ、引退を検討し始めた頃、岐阜商工会議所から事業承継診断アンケートが届き、すぐに回答しました。廃業も考えた中村さんでしたが、訪問した岐阜県事業承継・引継ぎ支援センターのサブマネージャーの杉山さんから第三者承継の説明を受け、「顧客に迷惑をかけずに済むかもしれない」と第三者承継を考え始めます。
　しかし、加子商店の顧客は小規模事業者も多く、事業を承継してくれてもかえって引継ぎ先の負担になるのではという心配もありました。その思いを受けて杉山さんは、岐阜市内で工作機械や機械工具を扱う株式会社澤商に承継を打診。その頃、新規顧客獲得に課題を抱えていた同社代表取締役の高橋直正さんは、「中村さんに協力でき、顧客増にもつながれば」と考え、快諾します。中村さんも「澤商さんなら安心して任せられる」と、譲渡を決意しました。

譲渡側の伴走で
スムーズな承継が実現
新規顧客が譲受側社員の
モチベーションアップに

　互いに合意の上、契約に向けて歩み始めた両社でしたが、高橋さんには「加子商店の顧客に承継後もお付き合いしてもらえるだろうか」という不安がありました。しかし、中村さんは譲渡契約を結んだ翌日から株式会社澤商の高橋さんとともに顧客へ一軒一軒説明をして回った結果、ほとんどのお客様を問題なく引継ぐことができました。
　高橋さんは「当社の社員も、新たなお客様を担当することに刺激を受けて、意欲的に新しい提案をするなどイキイキと働く姿が見られます。今回の承継は、僕にとっても社員にとっても大きな第一歩になりました。」と喜びもひとしお。
　一方、中村さんご一家も顧客に迷惑をかけず承継に至ったことに心から安堵しており、「個人商店で第三者承継といっても、相手にしてもらえないだろうと思っていましたが、アンケートを出したら杉山さんがすぐに話を聞きに来てくれて、こんなにいい相手先を見つけてくれました。本当にありがたかったです」と、笑顔を見せておられました。