親族内承継
鍼灸 武藤療院
サービス業
父のように健康をサポートしたい
看護師を経て鍼灸院を受け継ぐ
14歳で小児がんを患った際、鍼灸や指圧などの施術効果を実感し、体の不調を抱える人の役に立ちたいと武藤療院を創業した武藤信郎さん。その背中を見て育ち、看護師として医療に携わっていた長女の里恵さんは、病気になる前から体調管理に関わることができる父の仕事を継ぎたいと感じ、2019年に病院を退職して鍼灸師などの資格が取得できる専門学校へ入学しました。また、経営に不安を抱いていた里恵さんは、岐阜商工会議所の創業スクールに参加。その後、事業承継についても相談し、岐阜県事業承継・引継ぎ支援センターの専門家支援を受けます。「当時は、経営の知識がまったくなかったことに加えて、勉強のため他院に勤めながら承継を進めており、何から始めたらいいか分からない状態でした。専門家の方に承継の流れを教えてもらい、必要なことがクリアになったので、スムーズに段階を踏むことができました」と、里恵さんは相談当時の様子を語ります。
希望の明確化や補助金申請の支援で
時代に即した施術スタイルを実現
事業承継の準備を進める中、今後の課題として浮び上がったのが建物の老朽化でした。また当初、信郎さんは自分の代で廃業するつもりだったため、新規顧客をとっておらず、事業が縮小傾向だったことも不安材料の1つでした。そこで専門家支援では、事業承継計画を作成する過程で里恵さんがこれから取り入れたい施術や信郎さんの思いを聞き、1人1人の悩みに合わせたオーダーメイドの施術提案や、サロンのような雰囲気で顧客満足度を高めることなど、売上回復の取組を具体化。
岐阜商工会議所は、その実現に向け、小規模事業者の事業承継で活用できる補助金申請をサポートし、新たな治療器の導入や院内のリノベーションを実現しました。さらに里恵さんは、美容も意識した女性向けのメニューを加えるなど、新たな試みにも着手。今後は、病院で取り組んでいた「チーム医療」を地域でも実践するため、地元の医師や薬剤師、理学療法士などと協力して、お客様1人1人の健康を守る体制も整えていきたいと、夢を膨らませています。

機器導入や改修に補助金を活用

新たに女性目線のメニューも提案



鍼灸 武藤療院
〒500-8222 岐阜市琴塚1-1-10
設 立
1969(昭和44)年
従業員数
1名
事業内容
鍼灸や指圧、あん摩マッサージ、
高周波治療などの施術提供